【レポート】地域で育む「食べる防災」:朝コミュニティ食堂
せたがや防災士会の神田由佳理事の活動を紹介します。日常的な食事が地域貢献と防災意識の向上につながるユニークな取り組みを展開しています。本記事では、その活動の概要と、防災の観点から見た意義についてレポートします。

(写真・看板おにぎりフラッグがお出迎え)
「Pay it forward」でつながる優しい朝食
このプロジェクトは、「Pay it forward(次の人へ贈る)」という相互扶助の精神を活動の根底に置いています。「優しい気持ちがつながる、おにぎりプロジェクト」と名付けられたこの取り組みでは、参加者が支払う600円の朝食代金の一部が、未来を担う子どもたちへの支援に充てられます。
単にお腹を満たすだけでなく、食事をすることで自然と地域貢献に参加できる仕組みは、温かい思いが次へとつながっていく好循環を生み出しています。
取材に伺った日にも、大学生や地域の方で賑わっていました。中学生以下は無料、高校生・大学生は200円です。

(写真・右側 割烹着姿の神田理事)
防災士×管理栄養士:専門的知見に基づく「災害食」
神田理事が管理栄養士でもあるという点は、この活動の大きな特徴です。平時の食事が災害時に果たす役割を深く理解しており、専門的な視点から防災へとアプローチしています。
神田理事は、当会でも9月に「非日常でも崩さない!ご飯と味噌汁で整える災害食と栄養バランス」と題した勉強会を担当しました。これは、特別な非常食だけでなく、普段食べ慣れている「ご飯と味噌汁」こそが、災害時における心身の健康維持に不可欠であるという考えに基づいています。
カフェで提供される具だくさんで栄養満点のお味噌汁は、その理論を平時から実践的に体験できる機会となっています。

(写真・世田谷やさいの具沢山おみそ汁)
一石三鳥の地域貢献活動
「朝ごはんカフェ」の取り組みは、以下の複数の側面で意義深い活動です。
- 平時の地域コミュニティ形成:人々が集い、交流する場を提供しています。
- 相互扶助の精神の実践:食を通じた支援の輪を広げています。
- 「食べる防災」の啓発:日常の食事が非常時にも役立つことを具体的に示しています。
美味しく、優しさがつながり、そして防災のヒントも得られる――この「朝コミュニティ食堂」は、地域に根ざした「食べる防災」の先進的な事例と言えるでしょう

(写真・防災豆ちしきのカードも配布)
主催 ワクワクぼうさい
開催日 12月13日(土)8~10時
中学生まで 無料
高校生・大学生200円
大人. 600円
場所・publico(パブリコ)
世田谷区松原6丁目2-9
▽publicoについては以下をご覧ください
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